業務システムのバックアップと復旧、
止まらない備えを5項目で整理する

業務システムのデータが消えたら困る中小企業の方へ。守る対象、版管理、定期コピー、権限設計、復旧訓練の5項目を、費用をかけずにできる範囲で整理します。

|著者: (ラスタージ代表)|対象: 業務システム / バックアップ / 運用

Table of Contents

バックアップは「消えたとき」ではなく「戻すとき」から考える

業務システムのデータは、誤削除、上書き、操作ミス、連携先の仕様変更など、意外と身近な原因で壊れます。大切なのはバックアップを取ることそのものではなく、「何をどこまで、何分で戻せるか」を決めておくことです。

ラスタージ(Lustage)は低コストの業務システム開発・DX化支援を行っており、GAS+スプレッドシート構成でも追加の運用費をかけずにできる備えを設計に含めています。

  • データ:スプレッドシートの中身
  • プログラム:GASのコード
  • 設定:共有権限・トリガー・外部サービスの接続情報

項目1:何を守るかを3種類に分けて書き出す

まず、止まると困るデータ、コード、設定を一覧にします。多くの現場で抜けるのは設定です。時間主導トリガーの時刻や、共有している相手の一覧は、画面に出てこないため忘れられがちです。

一覧には「場所」と「担当者」も書いておくと、復旧のときに迷いません。

項目2:版管理(バージョン履歴)を使いこなす

Googleスプレッドシートには変更履歴が残り、過去の状態に戻せます。大きな変更の前には、手動で名前を付けて保存しておくと、あとから探しやすくなります。

ただし、履歴は「ファイルが存在していること」が前提です。ファイルごと削除された場合は履歴から戻せないため、次の項目の別コピーが必要です。

項目3:別ファイルへの定期コピーを自動化する

重要なシートは、日次や週次で別フォルダにコピーを残します。GASの時間主導トリガーで自動化でき、サーバー代はかかりません。実装手順は技術記事で紹介しています。

コピーは本番ファイルと別のフォルダ、できれば別の管理者のアカウントに置きます。同じ場所では、同じ誤操作で一緒に消えるおそれがあります。

  • 保存先は本番と別のフォルダにする
  • ファイル名に日付を入れる
  • 保管期間を決め、古いコピーは自動で整理する

項目4:誤削除を起こしにくくする権限設計

バックアップより先に、壊れにくくすることも大切です。編集できる人を必要最小限にし、数式や設定のシートは保護範囲を設定します。入力専用のフォームを用意すると、一覧を直接触らせずに済みます。

権限の決め方は「業務システムの権限設計」の記事で詳しく解説しています。

項目5:年1回の復旧訓練と手順書

バックアップがあっても、戻し方を誰も知らなければ意味がありません。年に1回、コピーから実際に戻す訓練を行い、所要時間と手順を記録します。

手順書には、コードの控えの場所、共有権限の一覧、連絡先を含めます。担当者が替わっても復旧できる状態が理想です。

GAS+スプレッドシート構成で気をつけたい制約

GASには1回の実行時間や、1日あたりのコピー・メール送信の回数に上限があります。バックアップ対象が大きい場合は、分割して実行する設計が必要です。

また、大人数の同時利用や大量データを扱う業務は、そもそもGASに向かないことがあります。向き不向きは事前に正直にお伝えします。

まとめ

業務システムの備えは、守る対象の一覧、版管理、定期コピー、権限設計、復旧訓練の5項目で整理できます。高額なツールを入れなくても、既存のGoogleアカウントの範囲で実現できる部分は多くあります。

ラスタージは、業務システム開発の段階からバックアップと復旧を設計に含めています。現在のシステムの備えを見直したい方もご相談ください。

よくある質問

データ(スプレッドシートやDBの中身)、プログラム(GASのコード)、設定(共有権限・トリガー・外部連携の設定)の3つです。データだけ戻せても、コードや設定が失われると業務が再開できません。

変更履歴(バージョン履歴)は自動で残るため、過去の状態へ戻せます。ただしファイル自体を削除された場合や、履歴の保持範囲を超えた場合は戻せないことがあるため、別ファイルへの定期コピーを併用すると安心です。

バージョン履歴から消す前の状態を確認し、必要な部分だけ戻せます。消えたことに気づくのが遅れるほど戻しにくいため、重要なシートは編集できる人を絞り、保護範囲を設定しておくのが有効です。

GAS+スプレッドシート構成では、定期コピーを時間主導トリガーで自動化できるため、追加のサーバー代はかかりません。保存先のGoogleドライブの容量は既存契約の範囲で使います。

必要です。バックアップがあっても、戻し方を誰も知らなければ復旧できません。年に1回でも、コピーから実際に戻す手順を試し、所要時間を記録しておくことをお勧めしています。

手順書とコードの控え、共有権限の一覧があれば可能です。担当者が替わっても困らない備えは「開発者が不在でも困らない業務システムの備え」の記事で詳しく解説しています。

「失っても許容できる作業量」で決めます。日次入力がある業務なら毎日、月次中心の業務なら週1回など、再入力できる範囲を基準にします。

はい。ラスタージ(Lustage)の業務システム開発では、版管理・自動バックアップ・権限設定を標準的な設計項目として含めてご提案します。

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