業務システムの権限設計
情報漏えいを防ぐ5つの基準
スプレッドシートやGASで業務システムを運用する中小企業の方へ。役割、閲覧と編集、保護、共有リンク、見直しの基準を整理します。
Table of Contents
権限設計を後回しにすると起きること
スプレッドシートで作った業務システムは、手軽な反面、気づくと全員が編集者になっていることがよくあります。誤って数式を消す、関係のない人が顧客情報を見られる、といった事故はこの状態から起きます。
ラスタージ(Lustage)は低コストの業務システム開発・DX化支援を行っており、運用が始まってから困らないよう、最初に権限を設計することをおすすめしています。この記事では、5つの基準を順に説明します。
基準1:役割を3つ程度に分ける
最初に、システムを使う人を役割で分けます。細かく分けすぎると管理しきれないため、多くの小規模な業務では次の3つで足ります。
- 管理者:設定やデータ構造を変更できる人(1〜2名)
- 入力者:日々のデータを入力・更新する人
- 閲覧者:集計結果や一覧を見るだけの人
基準2:閲覧と編集の線引きを決める
Googleスプレッドシートの共有には「閲覧者」「コメント可」「編集者」があります。入力者でも、必要なのは入力欄だけで、シート全体の編集権限は不要なことが多いです。
ここで押さえておきたい点は、閲覧権限があれば、そのファイルの全データが見えるということです。見せたくない情報(給与、原価など)は、同じファイルに置かず、別のファイルに分けるのが確実です。
基準3:保護された範囲で壊されたくない場所を守る
数式の列、見出し行、集計シートは、保護された範囲(編集できる人を限定する機能)に設定します。入力者が誤って消す事故を防げます。
GAS(Google Apps Script)を使うと、入力画面をWebアプリとして作り、入力者にはその画面だけを使ってもらう構成もとれます。この場合、元のスプレッドシートは管理者だけに共有すればよく、入力者に見せる範囲を絞れます。実行権限の設定(自分として実行するか、アクセスした人として実行するか)は、公開時に必ず確認します。
基準4:共有リンクの設定を確認する
業務データのファイルを「リンクを知っている全員」で共有すると、リンクが外部に渡った時点で誰でも開けます。個別のメールアドレスを指定して共有するのが基本です。
Google Workspaceを使っている場合は、共有を組織内に限定する設定もあります。共有の状況は、ファイルの共有ダイアログから定期的に確認します。
基準5:入れ替わりのたびに権限を見直す
退職・異動・外部委託の終了のたびに、権限を見直します。ファイルの共有設定とGASの編集権限の2か所を確認するのが要点です。
誰にどの権限を付けたかを一覧にして残しておくと、外し忘れを防げます。四半期に1回など、見直しの時期をあらかじめ決めておくと続きます。
まとめ
役割を3つ程度に分け、閲覧と編集を線引きし、重要な範囲を保護し、共有リンクを絞り、入れ替わりのたびに見直す。この5つで、スプレッドシートの業務システムでも情報漏えいや誤操作のリスクを大きく下げられます。ラスタージでは、権限設計を含めた業務システムの構築のご相談を承っています。
よくある質問
はい。共有設定の「閲覧者」「コメント可」「編集者」の3段階に加え、シートや範囲ごとの保護、GASによる画面の出し分けで、役割ごとの見せ方を分けられます。ただし、閲覧権限を持つ人には元のデータが見える点に注意が必要です。
同じファイルに置く限り、閲覧権限のある人には全列が見えます。見せたくない情報は別のファイルに分けるか、GASのWebアプリ経由で必要な項目だけを返す構成にします。
業務データを扱うファイルでは避けるのが基本です。メールアドレスで個別に指定するか、Google Workspaceを使っている場合は組織内に限定します。
退職日までに、ファイルの共有設定とGASの管理者権限の両方を見直します。権限の一覧表を持っていれば、外し忘れを防げます。
はい。ラスタージ(Lustage)の業務システム開発では、役割と見せる情報を最初に整理したうえで構築します。現在のスプレッドシートの共有設定の見直しだけのご相談も可能です。
関連するサービス・記事
Services
ラスタージ(Lustage)は、低コストの業務システム開発・DX化支援・AIチャットボット導入・GAS開発・Webサイト制作を、月額運用費0円の仕組みで承っています。
関連する記事
自社の業務に合う構成を、 まず相談する。
現在の業務の流れと利用人数をお知らせください。ラスタージの田中達也が、GASが向くかどうかを正直にお答えします。