業務システムの費用対効果を
計算する3ステップ

業務システムを作る前に、投資に見合うかを自分で確かめたい中小企業の方へ。作業時間の測り方、削減額の出し方、回収期間の計算式を、計算例とスプレッドシートの式つきで整理します。

|著者: (ラスタージ代表)|対象: 業務システム / 費用対効果 / 低コスト

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費用対効果を先に計算する理由

業務システムの相談では、「いくらかかるか」が先に話題になりがちです。しかし本来の判断材料は、かかる費用と減らせる手間の差し引きです。開発費が安く見えても、効果が小さければ回収できません。

ラスタージ(Lustage)は、低コストの業務システム開発・DX化支援を行っています。相談の前に自分で目安を出しておくと、見積もりの妥当性も判断しやすくなります。

ステップ1:現状の作業時間を測る

まず対象業務にかかっている時間を、感覚ではなく実際に測ります。1週間ほど、担当者に作業の開始と終了を記録してもらうのが確実です。

記録するときは、次の項目に分けると、どこがシステム化に向くかも見えてきます。

  • 転記・コピー(Excel、紙、メールからの写し)
  • 確認・集計(合計の計算、突き合わせ)
  • 連絡(承認依頼、催促、報告のメール)
  • ミスの修正(やり直し、問い合わせ対応)

ステップ2:削減できる時間と金額を見積もる

測った時間のうち、システムで置き換えられる部分だけを削減対象にします。判断が必要な作業や、人が確認すべき作業は残るため、全部が消えるとは見ません。

年間の削減額は次の式で求めます。例として、月20回・1回あたり30分の転記作業を、時間単価2,000円の担当者が行い、その8割を自動化できる場合を考えます(数値は説明用の仮定です)。

30分 × 20回 × 12か月 = 年間120時間。その8割の96時間が削減対象で、96時間 × 2,000円 = 年間192,000円の削減額になります。

ステップ3:開発費と運用費で割って回収期間を出す

回収期間は「開発費 ÷ (年間削減額 − 年間運用費)× 12か月」で求められます。運用費が月額かかる構成では、分母が小さくなって回収が遅れます。

スプレッドシートで管理するなら、次のような式で毎回計算できます。A2に開発費、B2に年間削減額、C2に年間運用費を入れます。

  • 回収期間(月):=A2/(B2-C2)*12
  • 運用費が0円の構成なら、C2は0になり、回収期間は =A2/B2*12
  • B2−C2がゼロ以下なら、その構成では回収できない

金額にしにくい効果の見方

ミスの減少、対応の早さ、担当者が休んでも回る状態といった効果は、金額にしにくい項目です。無理に金額へ換算すると数字が根拠のないものになります。

その場合は、ミスの件数、締め処理にかかる日数、問い合わせ回数など、減らしたい数字を1つ決め、導入の前後で比べてください。小さく始めて数字が動くかを確かめるのが確実です。

費用対効果が出にくいケース

次のような業務は、システム化しても回収しにくい傾向があります。向かない場合は、システム化せず運用の見直しだけで済ませるほうが得策です。

  • 年に数回しか発生しない業務
  • 毎回やり方が変わり、ルール化できない業務
  • 担当者が1人で、作業時間がもともと短い業務
  • GASの実行時間・クォータ(利用上限)を超える大量データや高頻度の処理

まとめ

費用対効果は、①作業時間を測る、②削減額を見積もる、③開発費と運用費で割る、の3ステップで自分でも出せます。月額運用費がかからない構成は回収が早まりやすく、小さく始めれば投資額も抑えられます。ラスタージでは、この計算に使う業務の洗い出しから一緒に整理します。まずは困っている業務をお知らせください。

よくある質問

「削減できる作業時間 × 時間単価 × 年間の回数」で年間の削減額を出し、開発費と1年間の運用費の合計で割って回収期間を求めます。数値は推測ではなく、実際に測った作業時間を使ってください。

ミスの手戻り時間、確認の問い合わせ回数、締め処理の日数など、減らしたい数字を1つ決めて前後で比べます。無理に金額へ換算せず、減る時間と件数で判断しても構いません。

月額の運用費があると、削減額から毎月差し引かれるため回収が遅くなります。GAS+スプレッドシートの構成は、サーバー代などの月額運用費がかからないため、同じ削減額なら回収が早まりやすい形です。

一律の基準はありません。業務が続く見込みの期間より十分に短いか、現場の負担が実際に減るかで判断します。まずは1業務の最小構成から始めると、投資額を抑えて効果を確かめられます。

はい。ラスタージ(Lustage)の田中達也が、現在の業務の流れをうかがい、システム化で削減できる時間の目安と、向かない場合はその旨も正直にお伝えします。

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