GASでスプレッドシートに
サイドバー・ダイアログを表示する方法
GAS の HtmlService(HTMLでUIを作るGASのサービス)を使うと、スプレッドシートに独自の入力パネルを付けられます。 サイドバー・ダイアログの作り方と、入力値をシートに保存する流れを動くコードで解説します。
Table of Contents
サイドバーとダイアログの違い
どちらも HtmlService で作った HTML をスプレッドシート上に表示する仕組みです。 見た目と使いどころが違います。まずは違いを押さえておくと迷いません。
サイドバー(showSidebar)
シートの右側に固定表示される縦長パネル。作業しながらずっと開いておける。 幅は約300pxで固定。常駐させる操作パネルに向く。
ダイアログ(showModalDialog ほか)
画面中央に浮かぶ小窓。幅・高さを指定できる。 単発の入力・確認に向く。モーダルとモードレスの2種類がある。
Webアプリ(doGet)との違い
doGetで公開する Webアプリは独立したURLを持つ別画面です。 一方サイドバー・ダイアログは「今開いているスプレッドシートの上」に出す点が違います。 シートと一緒に使う操作パネルなら、サイドバー・ダイアログの方が手軽です。
サイドバーを表示する(showSidebar)
まずスクリプトエディタで、GASコード(.gs)と HTMLファイル(Sidebar.html)を用意します。 GAS側は、メニューを追加してサイドバーを開く関数を書きます。
function onOpen() {
SpreadsheetApp.getUi()
.createMenu('ツール')
.addItem('サイドバーを開く', 'showSidebar')
.addItem('登録ダイアログを開く', 'showDialog')
.addToUi();
}
function showSidebar() {
// 'Sidebar' は下で作るHTMLファイル名(拡張子は不要)
const html = HtmlService.createHtmlOutputFromFile('Sidebar')
.setTitle('作業パネル'); // サイドバーは幅を指定できないためタイトルだけ
SpreadsheetApp.getUi().showSidebar(html);
}次に、表示する中身を Sidebar.htmlとして作ります。<base target="_top">はリンクを正しく開くためのおまじないとして入れておきます。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<base target="_top">
<style>
body { font-family: sans-serif; padding: 12px; font-size: 13px; }
label { display: block; margin-top: 10px; color: #5f6368; }
input, button { width: 100%; box-sizing: border-box; margin-top: 4px; padding: 8px; }
button { background: #0a0a0a; color: #fff; border: none; cursor: pointer; }
#msg { margin-top: 12px; color: #188038; min-height: 1em; }
</style>
</head>
<body>
<label>お客様名</label>
<input type="text" id="name">
<label>金額</label>
<input type="number" id="amount">
<button id="save">登録する</button>
<div id="msg"></div>
<script>
document.getElementById('save').addEventListener('click', function() {
var name = document.getElementById('name').value;
var amount = Number(document.getElementById('amount').value);
document.getElementById('msg').textContent = '登録中...';
google.script.run
.withSuccessHandler(function() {
document.getElementById('msg').textContent = '登録しました';
document.getElementById('name').value = '';
document.getElementById('amount').value = '';
})
.withFailureHandler(function(err) {
document.getElementById('msg').textContent = 'エラー: ' + err.message;
})
.addRecord(name, amount); // ← GAS側の関数を呼ぶ
});
</script>
</body>
</html>動かし方
保存後、スプレッドシートを開き直すと上部に「ツール」メニューが出ます。 「サイドバーを開く」を押すと右側にパネルが表示されます。 初回はスクリプトの承認画面が出るので許可してください。
画面からGAS関数を呼びシートに保存する
サイドバーの HTML からgoogle.script.run(画面側からGASの関数を呼ぶ仕組み)でサーバー関数を呼びます。 上の HTML ではaddRecordを呼んでいるので、GAS側にその関数を用意します。
function addRecord(name, amount) {
// 入力チェックはサーバー側でも必ず行う
if (!name) {
throw new Error('お客様名を入力してください');
}
const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sheet = ss.getSheetByName('登録') || ss.insertSheet('登録');
// 1行追記するだけ。new Date() で登録日時も残す
sheet.appendRow([new Date(), name, amount]);
return true; // withSuccessHandler に渡る
}ポイント
入力チェックは画面側だけでなくサーバー側でも行います。throw new Error()で投げたエラーメッセージは、画面側のwithFailureHandlerに渡り、そのまま利用者に表示できます。成功時の戻り値はwithSuccessHandlerで受け取れます。
ダイアログを表示する(モーダル・モードレス)
中央に浮かぶ小窓を出すならshowModalDialogを使います。中身の HTML(Dialog.html)は サイドバーと同じ書き方でOKです。サイドバーと違い、幅・高さを指定できます。
function showDialog() {
const html = HtmlService.createHtmlOutputFromFile('Dialog')
.setWidth(400) // ダイアログはサイズを指定できる
.setHeight(300);
// モーダル:閉じるまでシート本体を操作できない
SpreadsheetApp.getUi().showModalDialog(html, '新規登録');
}
function showModeless() {
const html = HtmlService.createHtmlOutputFromFile('Dialog')
.setWidth(400)
.setHeight(300);
// モードレス:ダイアログを開いたままシートも操作できる
SpreadsheetApp.getUi().showModelessDialog(html, 'バックグラウンド作業');
}モーダル(showModalDialog)
閉じるまでシート本体を操作できない。 「必ず入力してから進んでほしい」画面に向く。
モードレス(showModelessDialog)
開いたままシートも触れる。 参照しながら入力したい画面や、進捗表示に向く。
処理後にダイアログを閉じる
ダイアログは、保存が終わったら自動で閉じたい場面が多いです。 画面側でgoogle.script.host.close()を呼ぶと閉じられます。サーバー関数が成功した後に閉じるのがコツです。
<script>
google.script.run
.withSuccessHandler(function() {
google.script.host.close(); // 保存できたらダイアログを閉じる
})
.withFailureHandler(function(err) {
document.getElementById('msg').textContent = 'エラー: ' + err.message;
})
.addRecord(name, amount);
</script>失敗時は閉じずにエラーを表示し、成功時だけ閉じます。 こうすると「保存できたのか分からないまま閉じた」という事故を防げます。
テンプレートでサーバーの値を渡す
「開いた人のメールアドレス」や「初期値」など、サーバー側の値を最初から画面に埋め込みたいことがあります。 その場合はcreateHtmlOutputFromFileではなくcreateTemplateFromFileを使います。
function showSidebar() {
// createTemplateFromFile ならサーバーの値をHTMLに埋め込める
const template = HtmlService.createTemplateFromFile('Sidebar');
template.userName = Session.getActiveUser().getEmail(); // 変数を渡す
const html = template.evaluate().setTitle('作業パネル');
SpreadsheetApp.getUi().showSidebar(html);
}HTML 側では<?= 変数名 ?>というスクリプトレット記法で受け取ります。
<!-- Sidebar.html の中でスクリプトレットとして受け取る -->
<p>ログイン中: <?= userName ?></p>使い分け
固定のHTMLをそのまま出すだけならcreateHtmlOutputFromFileで十分です。表示前にサーバーの値を差し込みたいときだけcreateTemplateFromFile+evaluate()を使います。
実務での注意点
1. サイドバーの幅は変えられない
サイドバーの幅は約300pxで固定です。setWidth()を書いても効きません。広い画面が必要ならダイアログを使うか、レイアウトを縦積みで設計します。
2. google.script.run は非同期で戻り値を直接受け取れない
var x = google.script.run.addRecord(...)のようには書けません。結果は必ずwithSuccessHandlerのコールバックで受け取ります。渡せる引数・戻り値も、関数・Dateなど一部はそのまま渡せない点に注意します。
3. 承認とonOpenトリガー
初回はメニュー項目の実行時に承認が必要です。 開いた瞬間に自動でサイドバーを出したい場合はonOpenから呼べますが、承認前の簡易トリガーは権限が限られます。確実に出すならインストール型のonOpenトリガーを使います。
まとめ
サイドバー・ダイアログを使うと、スプレッドシートに「使いやすい入力画面」を足せます。 セルに直接入力させるより、必須チェックや保存先の制御がしやすくなります。
サイドバー
常駐パネル。幅は約300px固定。showSidebar
ダイアログ
中央の小窓。サイズ指定可。モーダル/モードレス
保存の流れ
google.script.run → サーバー関数 → appendRow
応用できる業務用途
よくある質問
サイドバーはシートの右側に固定表示される縦長のパネルで、作業しながらずっと開いておきたい操作パネルに向いています。ダイアログは画面中央に浮かぶ小窓で、1回きりの入力や確認に向いています。常駐させたい操作はサイドバー、単発の入力・確認はダイアログ、と考えると選びやすいです。
できません。サイドバーの幅は約300pxに固定されており、setWidth()を指定しても無視されます。幅を自分で決めたい場合はダイアログ(showModalDialog / showModelessDialog)を使ってください。ダイアログはsetWidthとsetHeightでサイズを指定できます。
はい。画面側のJavaScriptからgoogle.script.run.withSuccessHandler(...).関数名(引数) と書くと、GASのサーバー側関数が呼ばれます。そのサーバー関数の中でSpreadsheetAppを使えば、シートへの追記や更新ができます。処理結果はwithSuccessHandlerのコールバックで受け取れます。
モーダル(showModalDialog)はダイアログを閉じるまでシート本体を操作できません。確実に入力させたい場面向きです。モードレス(showModelessDialog)はダイアログを開いたままシートも操作できます。どちらもgoogle.script.runでサーバー関数を呼べる点は同じです。
onOpenトリガーからshowSidebarを呼べば自動表示は可能ですが、初回はスクリプトの承認が必要なため、まずメニュー項目から手動で開いて承認を済ませる運用が安全です。承認前の簡易onOpenは権限が限られるため、確実に出したいならインストール型のonOpenトリガーを使います。
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